穴の開いた雲のじゅうたん

穴の開いた雲のじゅうたん

(NASA image by Jeff Schmaltz, MODIS Rapid Response Team, Goddard Space Flight Center.)

一見すると,庭に薄っすらと積もった雪のようですね.子供たちが面白がって足跡を付けたり棒で引っかいたり・・・?

これは2007年1月29日,アメリカ南部のテキサス州やオクラホマ州の上空に見られた奇妙な雲の様子を,人工衛星から捉えたものです.

一面に広がる雲のあちこちに穴が開いて,地表の色が見えています.穴の形は丸いものもあれば細長いものもありますね.

どうして,雲に穴が開くなどという現象が起きたのでしょうか?

当時,雲の上部の温度は−20℃〜−35℃で,過冷却と呼ばれる状態だったと考えられます.過冷却とは,氷点下になっても水滴が凍らずに水の状態で存在している状態です.

過冷却状態の水滴は,空気中の微粒子に触れるなどすると凍結して氷になります.

ちょうどこの雲の下にはダラス・フォートワース国際空港があり,そこを発着する多くの航空機が雲の中を通過します.その際,航空機の排気ガスに含まれる微粒子によって過冷却の水滴が凍結し,氷の粒が次第に成長して自分の重さで落下したと考えられます.その跡が穴となって見えている訳です.

 

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