宇宙から見たスキーリゾート

宇宙から見たスキーリゾート

(The ISS Crew Earth Observations experiment and the Image Science & Analysis Laboratory, Johnson Space Center)

一見すると,山から何本もの紙テープが風に流されているように見えますね.

この写真は,アメリカのコロラド・ロッキー山脈にあるスキーリゾート,カッパーマウンテン(Copper Mountain,画面上部)とブリッケンリッジ(Breckenridge,画面下部)を国際宇宙ステーションから撮影したものです.画面右方向が北になります.

撮影されたのは2008年10月で,既に山々は雪に覆われています.真っ白く積雪した山頂周辺から,雪で線を描いたように何本ものスキーコースがふもとの街に向かって走っている様子がとてもよく見えます.

このあたりには標高3,850〜4,150メートルの山々が連なっています.富士山(3,776メートル)より高い山脈ということになります.

真っ白い積雪が,山頂周辺とスキーコースだけに際立って見えるのは,その部分だけ樹木がないからです.

この地域では標高3,350メートル付近がいわゆる「樹木限界線」となり,それより標高が高いと樹木が生育できなくなります.また,スキーコースは森の樹木を伐採して造られますから,当然コースの中に樹木はありません.そのため写真で見ると,樹木限界線より標高の高い部分と,森の間を縫って走るスキーコースの部分だけ積雪がはっきりと目に見えるわけです.

スキー場で人工降雪機を使っていれば,雪の降り始めのこの時期には一層,森との間にコントラストが付くことになります.

この地域の年間平均降雪量は7メートルを超えます.ロッキー山脈に降り積もる雪は,スキーリゾート地の観光資源としてだけではなく,生態系や地域住民への水の供給源として重要な役割を担っています.

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