セントへレンズ山

セントへレンズ山

(Landsat 7 project and EROS Data Center, NASA/GSFC)

アメリカ合衆国西部ワシントン州にあるセントへレンズ山です.大噴火からおよそ20年後の1999年の姿です.

場所はこちらの地図をご覧ください.

左右対称の円錐形をなす美しい姿で親しまれていたセントへレンズ山は,1980年5月18日に記録的な大噴火を起こしました.

この写真は1999年8月22日に撮影されたものですが,山頂に残された馬蹄形のカルデラ(くぼ地)の様子がよくわかります.

この時の噴火で山頂部400メートルが吹き飛ばされ,標高が2,990メートルから2,550メートルになりました.爆風で火口の周囲10キロメートルにわたる木々がなぎ倒され,噴煙は上空2万5千メートルまで噴き上がりました.

北側の斜面が崩壊し,土石流や火砕流(高温の火山ガスや火山灰,細かい岩石の混合物)が北〜北西方向に流れ下りました.この写真にもその名残りがはっきりと認められます.山頂部のカルデラも完全な円形ではなく,北側が欠けた馬蹄形になっています.また北側にある大きな湖はスピリット湖ですが,その湖面の一部が灰色に見えているのは,土石流によって流れ込んだ樹木が大量に浮遊しているものです.

●カルデラとは?
火山の噴火は,火山の地下深くの「マグマだまり」に蓄積されていたマグマが,溶岩となって地表に噴出する現象です.噴火によって「マグマだまり」が空になると,上にある岩石が支えを失って崩壊し山頂部が陥没します.その結果できた円形に近いくぼ地をカルデラと呼びます.日本では阿蘇山のカルデラが有名です.

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