ニュージーランド,エグモント国立公園

ニュージーランド,エグモント国立公園

(The Earth Sciences and Image Analysis Laboratory at Johnson Space Center/NASA)

エグモント国立公園は,ニュージーランドの北島西部にあるタラナキ山(別名:エグモント山)を中心とした広さ3万3,500ヘクタールの国立公園です.写真中央やや下側に雪を頂いているのがタラナキ山の山頂です.撮影は2002年4月ですので,南半球のニュージーランドでは初秋といったところでしょうか.

タラナキ山は2つの名前を持っています.「タラナキ」は先住民マオリの間で呼ばれていた名前,「エグモント」はイギリスの探検家ジェームズ・クックが名付けた英語名です.ニュージーランドでは先住民とヨーロッパ移民の双方の歴史を尊重し,多くの地名が両名併記になっています.

場所はこちらの地図でご確認ください.

写真では,山頂を中心としたきれいな円形が形作られているのが分かります.これは,1881年に山頂から半径9.6キロメートル以内を森林保護地区とする法律が制定され,それ以来境界より内側での開発や開墾が行われなかったためです.外側には牧草地などが広がっており,色合いの違いから円形の境界線をはっきりと認識することができます.自然保護の様子を鮮明に見ることができる貴重な写真だと思います.

タラナキ山は標高2,518メートルの美しい円錐形をした火山で,およそ7万年前からの火山活動で形成されました.17〜18世紀には何度も噴火しましたが,1755年に噴火して以来,現在は火山活動は止んでいます.すそ野を大きく広げた美しい姿は日本の富士山に良く似ており,この地は,日本を舞台にしたアメリカ映画『ラストサムライ』(2003年)のロケ地にも選ばれています.

タラナキ山はふもとから山頂に向かって植生環境が,多雨林帯,低木帯,高山植物帯,そして冠雪帯と,連続的に変化しています.写真からも土地の色あいが徐々に変化していく様子が分かります.

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