水星から見た地球と月

水星から見た地球と月

(MESSENGER science team, NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington)

無数の星々をバックに,地球と月が仲良く寄り添うように写っています.広大な宇宙の中での,惑星地球とその衛星としての月を実感できる写真です.

この写真は2010年5月,NASAの水星探査機「メッセンジャー(MESSENGER)」によって,水星周辺の軌道上から撮影されたものです.

この時の探査機と地球との距離は1億8300万キロメートル.地球と太陽の距離(平均1億5000万キロメートル)よりも遠いところから撮影されました.

月の直径は地球の4分の1強あります.これは,太陽系の他の惑星と衛星の関係に比べると非常に大きく,月は地球に対して不釣り合いに大きい衛星といえます.

でも,そのおかげで地球から見る月は大きく明るく,表面の模様も見えて,古来から人間の生活と密接な関係を持つようになったのですね.

月の起源については昔からいくつかの説がありましたが,いずれもこの不釣り合いな大きさや他の観測データを十分に説明できるものではありませんでした.それに替わって現在最も有力な説は,「巨大衝突説(ジャイアント・インパクト説)」というものです.

この説によると,46億年前に原始の地球が形成された頃,地球の半分程の大きさの天体が地球に衝突しました.衝突が斜め方向だったため,このとき大量に飛び散った物質のかなりの部分が地球の周囲を回る軌道上に残り,集積して月が形成されたということです.

今回の写真も,そんな原始の地球と月の誕生の様子を想像しながら眺めてみると,また感慨深いものがあります.

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