カーボベルデ諸島の雲の渦列

カーボベルデ上空の渦列 

(Jeff Schmaltz, MODIS Land Rapid Response Team, NASA/GSFC)

洋上に浮かぶ雲が織りなす,美しい幾何学模様です.この写真は,2005年1月5日に,アフリカ北西部の沖合いにあるカーボベルデ諸島(Cape Verde Islands) の上空から撮影したものです.

島の上空を北東から南西に向けて(画面右上から左下に向けて)風が吹き抜け,島にぶつかった後に風下側で見事な雲の渦の列を作り出しています.右,左,右,左と渦の弧が規則正しく並ぶさまは壮観です.画面の上下に2本の渦列が見られますが,下側の渦列は形が崩れてきています.

このような雲の渦列はカルマンの渦列と呼ばれており,流体力学の研究者であるTheodor von Karman (1881-1963) が,障害物の風下(下流)に渦の列が発生することを示したことからその名で呼ばれているそうです.このように発生する渦は,空気中を高速で進む航空機などの空気抵抗にも大きく関わっています.またカルマン渦は電線のうなりや旗のはためきの原因でもあったのです.身近な現象と地球規模での現象が共通のメカニズムで起きているとは,ちょっとした驚きです.

●カーボベルデ諸島とは?
アフリカ大陸の最西端ベルデ岬(セネガルの首都ダカールのあるところ)から真西へ約600km沖合いの大西洋にうかぶ島々です.全体でカーボベルデ共和国を形成しています.比較的大きい10の島と5つの小島で構成されており,カーボベルデの総面積は4033km2(日本の滋賀県程度),人口は45万人(2001年),共和国の首都はプライア(Praia)です.

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