(NASA/JSC)
2008年8月に国際宇宙ステーションから撮影された，グリーンランドの最南端，フェアウェル岬（別名：ファーベル岬）の様子です．
海上は低い雲に覆われていて，さらに海氷や氷山も浮かんでいるために真っ白に写っています．
その中に，世界最大の島グリーンランドの大地が存在感を示しています．
この写真は北東に向けて撮影されているため，画面の左上が北で，グリーンランドの巨大な島は画面左上に向かって広がっています．
画面に三角形に写っている陸地の右端の角が，グリーンランド最南端のフェアウェル岬です．デンマーク語ではファーベル岬と呼ばれます．
島の大部分が万年雪と氷に覆われているグリーンランドですが，夏のこの時期だけ海岸部に限って大地が顔を出します．この写真でも海岸付近にのみ大地の色を見ることができ，少し内陸に入るともう雪と氷の世界です．
この写真は国際宇宙ステーションが軌道の最北端を通過したときに撮影されましたが，グリーンランドはさらに北方に位置するため，真上からではなく低い角度での撮影になりました．
しかしそのことが幸いし，グリーンランドの海岸の様子がよく分かる写真になりました．画面に写っている陸地の手前側の海岸に着目すると，険しく切り立った谷と，内陸深く切れ込んだ入り江（フィヨルド）の様子がよく分かります．これらの地形は氷河によって大地が深くえぐられてできたものです．
陸地の左手に氷河がいくつか見えています．内陸の氷雪が谷を埋めて海岸に向け伸びているのが分かるでしょうか？これが氷河です．
★フィヨルドについては，「スカンジナビア半島のフィヨルド」をご覧ください．
★「グリーンランドの雪解け」もご参考に．
今回の写真は低い角度で撮影されたため，彼方の地平線上に，美しいブルーの大気の層がグラデーションを示しながら次第に宇宙へ同化していく様子を同時に見ることができます．
グリーンランドの大地が，地球という星の一部であることを実感できる美しい写真ですね．
