宇宙から見たオーロラ

宇宙から見たオーロラ

(Image Science and Analysis Laboratory, NASA-Johnson Space Center)

これは,2001年10月に国際宇宙ステーションから撮影されたオーロラの姿です.

上空に緑色の輝きが広がっている様子がとても幻想的ですね.地上から撮影されたオーロラも素晴らしいものですが,宇宙から見たオーロラもまた別の感動を与えてくれます.この写真によって,オーロラが地球規模,さらには宇宙規模の現象だということが実感できます

オーロラと雲

こちらの写真では,雲の広がりとオーロラの広がりが同時に写し出されています.
(Image Science and Analysis Laboratory, NASA-Johnson Space Center)

オーロラは,太陽から高速で到来した電子が地球の大気にぶつかることによって発生します.

活発に活動する太陽からは常に荷電した粒子が吹き出しており,周りの宇宙空間に「太陽風」と呼ばれる荷電粒子の流れを作り出しています.彗星の尾が太陽と反対向きに伸びるのもこの太陽風の力を受けているためです.この荷電した粒子は「プラズマ」と呼ばれ,マイナスを帯びた電子と,プラスを帯びたその他の粒子から成ります.

太陽風のプラズマは太陽を発してから2〜3日で地球に到達し,その内の電子が高速で地球大気と衝突し,大気中の粒子が発光します.ここで言う大気中の粒子とは酸素原子や窒素分子で,衝突した電子からエネルギーを受け取り,そのエネルギーを放出する過程で発光します.この発光のしくみは,テレビのブラウン管や,ネオンサインのネオン管が光る原理と同じものです.

オーロラは高度およそ100キロメートルから400キロメートルの高さで発生し,基本的な色は,赤,緑,青,ピンクです.どの色で発光するかは,発光する粒子の種類とその高度によって決まります.窒素分子は高度100キロメートル付近で青やピンクに発光し,酸素原子は高度100〜200キロメートル付近では緑,高度200キロメートルより上空では赤に発光します.上でご紹介した2つの写真では,主に酸素原子の緑の発光が見られていますね.

オーロラの発色

こちらの写真は1991年にスペースシャトルから撮影したものですが,高度が高くなるにつれて発光の色が緑から赤へと変化している様子がよく分かります.
(Image Science and Analysis Laboratory, NASA-Johnson Space Center)

 

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