地球の夜景

地球の夜景

(Marc Imhoff of NASA GSFC and Christopher Elvidge of NOAA NGDC. Image by Craig Mayhew and Robert Simmon, NASA GSFC)

これは,夜間気象観測用の衛星を利用した写真で,地球規模で夜景を観察することができます.

地球全体を見渡したときに明るい地域として目立つのは,アメリカ合衆国の東部,ヨーロッパ,そして日本でしょうか.日本は,列島の形がくっきりと浮かび上がるくらいに全体が光っています.都市化が進んでいるという見方もできますが,電気の無駄使いという面もあるのではないでしょうか.

フルサイズの画像にして光の様子を詳しく見ていくと,都市は交通網に沿って発達するものであることが良くわかります.アメリカ合衆国では各都市の輝点を結ぶハイウェイが,まるでクモの巣のように光って見えます.ロシアでは,シベリア横断鉄道の軌跡が,モスクワから中央アジアを通ってウラジオストックまで細く長く延びている様子がわかります.エジプトのナイル川も,アスワン・ダムから地中海まで,闇の中に光る紐のように写っています.

また,海岸線に沿って都市が広がるのも世界的な傾向のようです.地中海沿岸,アラビア半島,中国南東部や台湾,オーストラリア大陸,アメリカ合衆国の西海岸など,各地にその特徴が見られます.

一方,地球上にはまだまだ闇夜の地域が広く存在することも注目されます.南極大陸は完全な闇に包まれています.アフリカ大陸奥地の砂漠や熱帯雨林地帯,南米のアマゾン川流域,ヒマラヤ山脈以北の中央アジア地域,オーストラリア大陸の内陸部などもほとんど明かりが見えません.カナダやロシアの寒帯森林地帯も同様です.このような地域には,容易に人を寄せつけない厳しい大自然が存在していることでしょう.この写真を見ながらそのような場所の闇夜の様子を想像すると,身震いするような,恐怖にも似た気持ちを抱かずにはいられません.地球規模で眺めると,人間が快適に生活できる地域はごく限られた範囲であることを実感させられます.

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