大西洋航空路の飛行機雲

大西洋航空路の飛行機雲

(Jacques Descloitres, MODIS Rapid Response Team, NASA/GSFC)

画面右側のフランスやスペインから飛び立つ,あるいはそちらへ向かう,何十というジェット機が作り出す飛行機雲が写し出されています.北大西洋上空の航空路のラッシュの様子がうかがえます.

日本でも澄んだ夕空にひと筋の飛行機雲が伸びていく美しい光景を目にすることがありますが,このように数多くの飛行機雲が交錯している様子は圧巻ですね.

場所はこちらの地図をご覧ください.

雲とは,微小な水滴や氷の粒が集まったものです.空気中に含まれる水蒸気(水分)が,温度の低下などによって水蒸気の状態でいられなくなると,小さなちりなどを核として水滴や氷の粒の形となって現れ,白く見えます.この時の大きさは直径0.02ミリから0.2ミリ程度です.さらに大きさが成長して空気中に漂っていられなくなると,雨となって地上に降ってくることになります.

空気が澄んでちりが少なく,水蒸気を非常に多く含んだ状態になっていると,核となる物質が供給されたとたんに水分が凝結して雲となります.ジェット機から放出された排気ガス中の微粒子を核として形成された雲が飛行機雲です.飛行機雲は,上空の湿度が十分高く,気温が十分に低いときに形成されます.

大西洋や太平洋の上空では海面から大量の水分が供給されるため,飛行機雲が形成されやすい状態になっています.

アメリカ西海岸の飛行機雲

この写真は,アメリカ西海岸の太平洋航空路上で多くの飛行機雲が発生している様子です.

(Jeff Schmaltz, MODIS Rapid Response Team, NASA/GSFC)

場所はこちらの地図をご覧ください.

飛行機雲の形や拡散のしかたは上空の気流の様子などで変わりますが,一般にジェット機のスピードが速いほど飛行機雲は細く,長く,拡散も少なくなる傾向があります.条件が良ければ,飛行機雲は数時間も消えずに見えていることがあります.

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