噴火する浅間山

噴火する浅間山

(Jesse Allen, Earth Observatory, using data courtesy the MODIS Rapid Response Team)

標高2568メートルの浅間山は,2004年9月1日に爆発的な噴火を起こしました.今回のような大規模な噴火が起こるのは,1983年4月以来21年ぶりのことです.その後2週間ほど静穏な状況が続きましたが,9月14日から18日にかけて再び小規模な噴火を繰り返しました.

この写真は9月16日に撮影されたものです.噴煙がまっすぐ南へ,ちょうど富士山や駿河湾の方向へ流されている様子が捉えられています.この時の噴火では南東の軽井沢町に多量の火山灰が降り,東京や,最も遠いところでは千葉県勝浦市でも降灰が認められました.

浅間山は雄大な姿と四季折々の自然の美しさで多くの人を魅了していますが,同時に,古くから活発な火山活動が断続的に続いていることでも知られています.

気象庁のウェブサイトで浅間山の火山活動の年表を見ることができますが,記録に残っている噴火の数だけでも,紀元685年以来,実に100回以上を数えます.

今回ご紹介した写真は広い範囲が写っているので,浅間山と周辺地域との位置関係がよく分かりますね.浅間山の南東にはコンクリート色をした首都圏が広がっています.ほぼ真南に見えている富士山は,歌に歌われるとおり「頭を雲の上へ出し」ています.

浅間山から東京都心まではおよそ140キロメートルです.今回の噴火でも東京で降灰が観察されましたが,過去の噴火においても,東京(江戸)で降灰が見られたり,家屋や戸障子が振動したり,爆発音が聞こえたという記録が残っています.

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