(データ提供:Global Land Cover Facility, University of Maryland) (写真作成:筆者)
雲の合間から,きれいな正三角形をした島が顔を出しています.これが日本最東端の島,南鳥島(英名:マーカス島)です.
周囲をサンゴ礁に囲まれている様子が写真からも分かります.三角形の一辺はおよそ2キロメートル,標高は最も高い所でも10メートル前後でほとんど平坦です.気候は熱帯雨林に属し,年間を通して平均気温が20℃以上あります.
南鳥島は東経153度59分,北緯24度17分に位置し,本州から南東へ約1800キロメートルも離れています.
こちらの地図で位置を確認してみましょう.地図には,日本最南端の島である沖ノ鳥島と,日本最西端の島である与那国島も併せて記載してあります.
●沖ノ鳥島についてはこちら→「日本最南端の島,沖ノ鳥島」
●与那国島についてはこちら→「日本最西端の島,与那国島」
南鳥島は東京都小笠原村に属し,現在住民は住んでいませんが,気象庁,海上保安庁,海上自衛隊の施設があり,職員や隊員数十名が駐在しています.
島の左上の一辺に沿うようにグレーの線が見えますが,これは飛行機の滑走路です.と言っても一般の人向けではなく,島に駐在する人たちに食料や物資を補給するための自衛隊機が離着陸するものです.職員や隊員の交代にもこれらの飛行機が使われます.
私たち一般人が南鳥島に上陸することは,事実上不可能です.一般用の航空便や船便もありません.でも場合によっては,ハワイなどへ向かう太平洋航路の船が寄り道して南鳥島の近くを通ってくれることもあるそうです.
東京都に属していながらおそらく一生の間私たちが行くことがないであろう,そんな南の島に思いを馳せてみるのも面白いですね.