(Jeff Schmaltz, MODIS Rapid Response at NASA GSFC)
冬の寒さで一部氷結した,カナダ・ケベック州を流れるセントローレンス川の河口付近の様子です.2010年1月にNASAの地球観測衛星Aquaから撮影されました.
大きく渦を巻くような複雑な形が連なり,まるで装飾品の紋様のようです.
宇宙から見ることで,冬の自然が造りだした美しい作品を鑑賞することができました.
氷が薄く軟弱なため,水流の影響が氷の形に表れています.この氷を見ると,河口付近の水流はとても複雑な動きをしていることがよく分かります.
また,川の中央付近では氷は薄く,川の水が緑色に透けて見えますが,南岸沿いには真っ白な厚い氷が張っている様子が見られます.
広範囲の写真もご覧ください.
白く氷雪に覆われた大地と,黒から深い青緑色に映る川や海が,見事なコントラストを示しています.
撮影範囲はこちらの地図でご覧ください.
セントローレンス川は,アメリカとカナダ国境にある五大湖を水源とし,大西洋のセントローレンス湾に注ぎます.水源の五大湖を含めると,世界最大の水量となります.
川の中流にある都市,モントリオールの1月の平均気温はマイナス10℃です.川が凍りつくのも分かりますね.
水面に張った氷が造りだす紋様については,「チベット高原,プマユムツォ湖」でもご紹介しています.